お墓は人生の終着駅ではありません、出発点です【お墓と納骨堂】|葬儀Book

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2015年5月8日
お墓は人生の終着駅ではありません、出発点です【お墓と納骨堂】

人には寿命があり、必ずいつかはその時が来ます。時代の変遷によって、死と死後に関しての意識が薄くなりました。埋葬もいらないという人もいます。お墓は、私たちにとって重要な関心事です。お墓や墓地、納骨やその後の供養に関して、少しお話ししましょう。

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人には寿命があり、必ずいつかはその時が来ます。
時代と価値観の変遷によって、死と死後に関して、私たちはあまり意識しなくなりました。
埋葬もいらないという人もいます。
それでも人生の終着場所であるお墓は、多くの人にとって、重要な関心事です。

お墓の購入から種類、契約問題とお墓に関して、私たちは知らないことや不安がたくさんあります。お墓や墓地、納骨やその後の供養に関して、少しお話ししてみようと思います。

一口には語れない「お墓」

「お墓」と言った場合、「墓」それ自体のことと「墓地」というものの2つの区別があります。
さらに、お墓の施設のことを「墳墓」、遺体や遺骨を埋める区域のことを「墓地」と言います。
「霊園」には法律的な定義はありません。

ギリシャ墓

埋葬場所には大きく二種類、墓地と納骨堂があります。墓地は遺骨を地中に埋蔵し、納骨堂は屋内に収蔵するという違いがあります。

墓地は永代供養墓といって、「永代使用権」を管理者と結びます。
納骨堂は、基本的には一時的に預かるところですが、「遺骨の預託契約」を結んで、永代納骨を希望する人も少なくありません。

墓地にも壁型、芝生型、公園墓地という形態があります。それらが寺院墓地、公営墓地、公営墓地に分類されます。

こうしたお墓と埋葬以外に、お坊様にお経をあげていただく法要があり、開眼、納骨、年忌法要と三つがあります。

・墓地と納骨堂
・墓地形態(壁型、芝生型、公園墓地)と分類(寺院墓地、公営墓地、公営墓地)
・法要
これらが「お墓」を考える際の基本です。これらに、お墓を立てる際の許可や墓地、墓石選び、費用が加わってきます。
※また、これら最初からお墓を立てる以外に分骨や、お墓を立てない散骨もあります。

お墓や埋葬は、遺族の心のよりどころとして、古来から大切にされてきたものです。そこで、お墓に関することを少しお話ししてみましょう。

永代供養墓~先祖代々、子々孫々~

お墓は永久で永遠のもの。
そのように一般的にはとらえられていますね。
墓参り
先祖代々、子々孫々に受け継がれるもの、それがお墓というものです。
では、一般的にお墓を購入する場合、いったいどのようなことをするのでしょうか。

お墓を購入するためには、まず永代使用権を墓地所有者と契約します。

永代使用権という「権利」は、法律で定められた用語ではありませんので、公営と民営と霊園や寺院によってその契約は異なります。

公営墓地ならば、都道府県と市町村に「使用許可申請書」を提出し、民営墓地の場合、霊園などと永代使用契約をかわします。
寺院墓地の場合は、だん家になる契約を結びます。

永代供養墓は、独身者や子供のいない夫婦など、お墓を継承させることが難しい人のために、管理供養を寺院や霊園が、永代にわたって行うという意味合いがあります。
お墓を買うと言っても、墓地という土地を買うのではなく、使用する権利を買って、管理を委託する契約をするわけです。

納骨までの手続きは、死亡届と火葬許可申請書を市町村事務所に提出し、火葬許可証をもらいます。
火葬場にそれを提出し、証印をもらったら、永代使用許可書と一緒に墓地の管理者に提出します。

永代供養墓の料金の内訳
・永代使用料
・永代管理料
・永代供養料
お墓の場合墓石料が加味され、合葬陵と納骨堂の場合、不要、開眼、納骨、遺骨の引き取り料があります。

自分の生きた証を残し、近親者や友人、子供や子孫の記憶や追憶のためにも、お墓を考えることは重要です。永代供養墓は私たちの生と死をつなぐための位置づけを持っていると言えます。

納骨堂も「お墓」です

納骨堂をご存じでしょうか。
お墓とは違い、遺骨を預けて、保管してもらう施設です。
法事花2
お墓は遺骨を収蔵します。基本的に永代使用が原則の墓と違い、納骨堂は一時的に保管する施設です。

しかし今では、東京の土地の不足を反映して、お墓の代わりとして永代納骨をする人が増えています。費用も比較的安いので、時代にともなった価値観の変化を考え合わせると、現代のニーズに合った「お墓」といえます。

納骨堂は供養の際に、墓地や仏壇がなくてもよく、掃除や雑草の手入れの必要がありません。
気軽に供養が出来るという利点があります。

墓理法では、墓地以外への埋蔵を禁じています。しかし、納骨堂は土の中に埋めるのではなく、都道府県知事の許可を受けた屋内施設ですので、問題ありません。

墓理法では、「他人の委託を受け、焼骨を収蔵するために許可を受けた施設」となっています。ですから、お墓の「永代使用権」に対して、納骨堂では「遺骨の預託契約」を結びます。遺骨を預かってもらう権利を取得します。

納骨堂には、ロッカー型棚型が典型的です。
参拝施設は共同で、供養やお供えの制限があります。
ですから、コインロッカーのような無味乾燥なイメージもあって、これまでは埋葬施設として認識されてきませんでした。
しかし、最近では、通常のお墓と同じものが設置されている仏壇型やお墓型のものがあり、いっそうお墓としての認知度が高まりつつあります。

田舎にお墓参りに行くという、里帰り感覚の供養とは別に、身近で気軽に行える供養が可能という点で、納骨堂は新たな「お墓」として注目されている埋葬施設です。

タテ、ヨコどっちがいいの?「お墓」のいろいろ

ひと口に「お墓」と言っても、墓地にはいくつかの形態と種類があります。
お墓参りをする場合、その時の雰囲気や環境が良いことが、故人をとむらい、思いを寄せる際の参拝者の気持ちに大きく影響しますね。

墓地の形態ですが、大きく3つの形態があります。

1芝生墓地。
これは欧米式の墓地で、芝生の敷地に横長墓石、その下に納骨室があります。

2公園墓地。
緑地や広場、遊歩道や休憩地が完備しているところもあり、宗旨や宗派を問わないところが多く、人気を集めています。売店などもあり、休日にお孫さんとのお墓参りをするにはちょうどいい形態です。

3壁墓地。納骨室を設置して、その上に自然性やコンクリートで長い板状の壁を設けて、その壁面が石塔の役割を果たします。ほとんどが民営墓地ですが、都営多磨霊園にもあります。

それ以外にも、建物の中に墓地区画を設けている屋内立体墓があります。そして納骨堂も墓地の形態のひとつです。

お寺?霊園?どっちがいいの?墓地の種類

墓地も寺院墓地、民営墓地、公営墓地に分類されます。

1寺院墓地
お寺が経営する伝統的な墓地です。永代供養のためには檀家になるための、「檀信徒の契約」を結びます。

2民営墓地
公益法人や宗教法人の経営する墓地です。
申し込む際に、宗旨や宗派、資格や条件に厳しいハードルは設けられておらず、お墓のデザインなども自由に選べるという利点があります。

3公営墓地
これは地方自治体が管理、運営しています。宗派の制限もなく、低料金で好立地という長所があります。
ただし、倍率が高く、生前に購入の不可、現住所がその自治体であり、お墓の継承者がいなければなりません。

「法要」でようやく人生一周

「お墓」を立てたら、その後はお墓参りをすればよいのですが、正式のお墓参りともいえる、法要があります。
一言でいえば、お坊様に墓前で読経していただく儀式です。
主に仏教で行われるものですが、一般的に無宗教、無宗派の人でも、法要を頼む人は増えています。
法要には次の種類があります。

1.開眼法要。
お墓に魂を迎え入れる儀式です。
これによって、ただの石がお墓に生まれ変わります。
新しいお墓に納骨する場合が多いので、四十九日の忌明けや法事と合わせて行われます。費用は、お布施と法具の使用代、花代に供物代、会食費用です。

参列者を決め、お墓の掃除に雑草取り、墓石を清めます。
花立てと燭台、小机を用意してお花と供物をささげます。僧侶に墓前での読経していただき、最後に施設か近くの料理屋で会食をします。

2. 納骨法要
遺骨をお墓に納めるときに執り行う儀式です。
開眼法要とともに行われる時もあれば、四十九日の法要と合わせて行われることもあります。
事前に石材店に連絡をして、納骨をするために、納骨室のふたを開けておく必要があります。

その後の段取りは開眼法要と同じですが、参列者のお焼香が加わります。
昔からあるお墓には、戒名を新たに刻みます。
新しいお墓の場合は、戒名の色を朱色から濃紺に塗り替えてもらいます。

年忌法要【一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌】

年忌法要とは、祥月命日に執り行われる供養です。
一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌なに行なわれます。
それ以外の都市は、家族でお墓参りをします。三十三回忌が最終年忌とされ、故人が完全に成仏したとするところが多いようです。

年忌法要は塔婆法要とも呼ばれ、一度の法要で一本の塔婆を立てます。
これが追善供養になると言われています。
浄土宗ではこの考えがないため、塔婆を立てません。
塔婆は一本三千円から五千円程度です。

最終年忌の時は、枝のついた生木の塔婆を立て、位牌を焼却または、お寺にしまってもらいます。戒名も檀家の記録に記入され、以後、法要は行われません。
少し寂しいですが、これで故人が完全に「人生」を終えたという証なのです。

古墳

人の死とは、お葬式から焼骨、納骨、埋葬、最終年忌に至るまで、とても長いおつきあいになり。その間、故人とは、私たちと強い結びつきで、ともにいると考えてよいと思います。

著者:鴨川ひとり

WEBライター・翻訳家
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教育業界からの転身、掛け持ちです。英語や政治経済、ビジネス、それと音楽やサブカル系のライティングをしていましたが、新たな分野にも挑戦します。美容、サプリ、旅行となんでもこいです。