高すぎる葬式費用の原因は葬儀社が意図的に操作していた|葬儀Book

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2012年8月20日
高すぎる葬式費用の原因は葬儀社が意図的に操作していた

近年、国民生活センターのよれば葬儀サービスによるトラブルが増えているといいます。そのほとんどがお金に関するトラブル。「価格の十分な説明がない」「高額な料金を請求された」といったものが大半。ではなぜこのようなトラブルが起きるのか、問題点を調べてみました。

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日本の葬儀は非常に高い

葬儀一式の全国平均は約200万円です。
これは高いと思いますか?

非常に高い値段だと思います。

例えば、世界を例にとるとアメリカは平均44万円。イギリスは12万円。韓国はあれだけ先祖を大切にするお国柄にもかかわらず平均37万と、日本とは大きな開きがあります。

なぜこれほどまでに高くなってしまったのか。その原因の一つは利益率の高さがあげられます。
利益率とは原価と売値の差額の事で、安くても50%。ひどい場合には70%~90%などという話も聞きます。

もちろん、すべての葬儀社がこのような商売行っているわけではないでしょう。しかしぼったくりと思われる葬儀社も確かに存在しています。

お金にまつわるトラブル

葬儀において、最も多いトラブルはお金にまつわる事。
その中でも特徴的な2件を例に挙げてみます。

例1.「葬儀一式」では葬儀は行えない

チラシなどで「葬儀一式○○万円」と記載されているのを見たことはありませんか?
ある例では、このように書かれていた葬儀社に確認を取り、その値段で間違いないと言われていたにもかかわらず、最終的にはその3倍の金額を支払ったという事例があります。

なぜこのような事が起こったのでしょう。
原因は、「葬儀社と消費者の認識のずれ」にあります。

我々、消費者が葬儀一式と聞けば、お葬式から納骨までの一切と考えてしまいます。
しかし葬儀社の葬儀一式とは「葬儀社が直接用意するものに掛かる費用」と考えられています。

その為、飲食接待費や車両費といった各業者に委託している分の実費費用。お寺などに支払うお布施は別会計となり、最後にまとめて請求され、その時に初めて発覚するというトラブルが後を絶ちません。

つまり葬儀社での総葬儀費は「葬儀一式+実費費用+お布施」となります
葬儀社のいう「葬儀一式費用は、総葬儀費ではない」という事を覚えておくだけで、多くのトラブルを回避できると思います。

なお、東京、神奈川、埼玉の葬儀費用の平均を載せておきます。
宗派や葬儀の内容により価格は変わってきますので、参考程度にご覧ください
しかし、気を付けていただきたいのは、この平均は葬儀社が長年かけて作り出したものだという事です。

総葬儀費用:
256.3万円
内訳
 
葬儀一式:
122.4万円
実費費用:
21.0万円
お布施:
34.1万円

例2.病院に常駐している指定葬儀社だからと信用してはいけない

事故や病気にかかわらず、亡くなられた方の多くは、最後を病院で迎えられます。
その時に、どこからともなく現れる葬儀社。これが病院の指定葬儀社です。

あるご家族は、この病院の指定という言葉を信用し、葬儀を任せる事にしました。
見積もりを確認すると総葬儀費用180万円。しかし後に同じ様な内容の葬儀を100万円で行うことができたと知りました。
すでに日取りも決まり、参列者へ告知した後だったため、泣き寝入りのような感じで指定の葬儀社へお願いすることにしました。

この場合の問題点は、どこにあったのでしょうか?
それは「病院指定という言葉を信用し、安易に任せてしまった」ことにあります。

病院指定と言われても、すべてを任せる必要はありません。
突然の事で準備ができていないのなら、指定葬儀社に搬送まではお任せします。

それでも費用は確認した方がいいでしょう。
だいたいで日中10キロ以内は3万円程度に収まるはずです。

ご遺体の安置が終わったら、見積もりをもらい、ほかの葬儀社と比較し納得のいく場所を選びましょう。

ドライアイスの処理がきっちり行われていれば、それだけの余裕は十分にあります。

葬儀社と我々の認識のズレが費用が高くなる原因だった

突然の訃報の場合、細かいところまで頭を回す余裕はありません。
その為、葬儀社の言いなりになってしまうケースが良く見え受けられます。

しかし上記の「葬儀一式」のように、葬儀社が常識を考えている事は我々にとって未知のものである場合が多くあります。

悪質な葬儀社は、このズレを利用し高い利益率を持って値段を釣り上げている場合があります。

納得のいく葬儀の為に何をするべきか

まずは複数の葬儀社から総葬儀費の見積もりを取り、比較検討しましょう

もし「実費費用はその時にならないとわからない」という葬儀社は信用できません。
相手は葬儀のプロです。お葬式の規模から推測は出来るでしょう。

そして「葬儀社の言いなりにならず要求ははっきりと伝えましょう」

葬儀社の考える「質素」は我々の「豪華」と同じだと考えてください。
あいまいな表現は、それこそ認識のズレを利用されてしまいます。

葬儀費用の節約は恥ではない

葬儀社はこうした、葬儀社の常識に乗っ取って葬儀を進めていきますが、そこには我々の常識とは大きなズレが生じている事が良くあり、それがトラブルの元となっています。

ご遺体の前でお金の事を、とやかくいう事に抵抗を感じる人は少なくありません。しかし葬儀に掛かる費用は決して少なくありません。
また葬儀の本質は亡くなられた方を気持ちよく送り、残された遺族の気持ちに整理をつける事にあります。

後々まで不満を抱える事の無いような葬儀を送れる事を願っています。

著者:渡辺芳樹

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学生時代からライターとして活動。小さな会社に就職したおかげで、ライター以外に、編集からWEBサイト製作など、幅広く経験。現在はフリーランスとなり、いくつかの会社と契約を結んで執筆活動してます。