バラバラで帰ってくるのは耐えられない
臓器提供を反対する理由はいろいろあると思いますが、家族の側から立つとバラバラにされて帰ってくるなんて耐えられない、というのが一番大きいのではないでしょうか。
でも実際はどうなのでしょう。本当に参列者に見せられないような状態で戻ってくるのでしょうか。
遺体は綺麗な状態に戻される
病院で亡くなられた場合は、そのまま手術に移されます
手術時間は大体2時間から長くて6時間ほどはかかるようです。
その後、遺体は遺族の元へと返されます。
その際、遺体は綺麗な状態に戻されるそうです。
傷跡は残ってしまいますが、傷口は綺麗に縫合され見えないように包帯などを巻かれ、落ちくぼんでしまった部分には、詰め物をされます。
その後、遺体の洗浄や髭の処理といった死後の処置を行ない、摘出前とそれほど変わらない状態にまで戻されます。
葬儀は通常と変わらずに行える
その後の葬儀については、通常の葬儀と変わりません。
信頼できる葬儀社でしたら、問題なく執り行っていただけるでしょう。
その時に、個人が臓器提供を行ったかどうかを参列者に伝えるかは、遺族の自由にされています。
葬儀の際に話しても構いませんし、口にしたくないのであれば香典返しのなどの令状に一言添えるだけでも良いでしょう。
もちろん、伝えないという選択肢もあります。
見た目がどうこうではなく、体にメスを入れられるという行為そのものに嫌悪感を抱く人もいます。
そのような方にわざわざ不快感を与える必要はありません。
誰もが納得して、故人を送ることができるのが一番です。
臓器提供は家族とよく話し合って
臓器提供を行ったからと言って、その後の何か面倒な手続きが増えるといったことはなく、通常の葬儀とどうように行えますが、だからと言って、全ての臓器提供を良しとするわけではありません。
手軽に手に入るドナーカード(臓器提供意思表示カード)。
現在では15歳以上から臓器提供の意思を示すことができ、学校では授業の一つとしてドナーカードを取り上げる事もあるようです。
臓器移植を行う場合、その摘出の最終判断は家族にゆだねられます。
しかし心肺停止の場合、ゆっくりと考えたり誰かに相談する時間は与えられません。
家族は、死を受け入れる時間も与えられないままに、時にはつらい決断を迫られることになります。
後悔せず、故人を送ることができるよう臓器提供の意思はしっかりと家族で話し合う事をおすすめします。
ただ灰になるだけじゃない、そこには残された家族の生活があることを忘れないで上げてください。