葬儀社を選ぶ10のポイント
葬儀社の仕事とは、ただ葬儀を取り仕切るだけではありません。
残された遺族の心のケアもまた、葬儀社の重要な仕事の一つです。
1.病院指定は信用し過ぎない
最後を迎える場所の多くは病院である場合がほとんどです。その際、葬儀社が決まっていなければ病院指定の葬儀社を紹介されます。
そのまま遺体の搬送を行い、すぐに葬儀の打ち合わせへと流れていくでしょう。
しかしこれは危険です。
病院指定の葬儀社は、その病院に対して多額の契約金を収めています。その分を葬儀代として上乗せしてくることもあり、通常より割高になることも多いのです。
葬儀社が決まっていない場合、搬送までを任せ、見積もりをお願いしましょう。
そして、複数の葬儀社から同じように見積もりをもらい検討します。
故人が可哀そうだから急いで式を挙げたいと思うかもれませんが、あなたが騙されてしまった場合、故人はそれでも早くと望むでしょうか?
それにドライアイスの処理がしっかりしていれば、葬儀社を選ぶ程度の余裕はあります。
ちなみに、都内での搬送量は日中10キロ以内であれば3万円が相場といわれています。
あまりにかけ離れている場合は、すぐに他の葬儀社を当たった方がいいかもしれません。
2.契約を急がせない
縁者を亡くした直後は誰しもが混乱しています。
そんな時に「火葬場のスケジュールが」とか「故人の為にも」などと契約を急がせる葬儀社は、本当に信用できるのでしょうか。
葬儀社の仕事はサービス業です。遺族の事を考えられない葬儀社では、たとえ葬儀をうまく取り仕切ったとしても不満が残るでしょう。
3.地域密着の葬儀社を探す
大きい必要はありません。地域に根差し長年葬儀に携わっている会社はありませんか?
地域からの紹介で長年続けてこられたのは、その仕事ぶりが丁寧だったからと考えられます。もしも雑な仕事ではすぐに潰れてしまうでしょう。
ご近所や親せきに葬儀を挙げられた方がいるのでしたら、紹介してもらうのもいいでしょう。
もちろん、その葬儀社があなたにとってベストである保証はありません。信用できないと思ったら、たとえ紹介してもらったとしても断る勇気は必要です。
4.本当にみるべきは葬儀社ではなく、「担当者」
実際に葬儀を行う際、あなたと接するのは葬儀社ではなく担当者です。
どれほど評判の良い葬儀社であっても、担当者が悪ければその葬儀は残念なものになるでしょう。
重要なことですので、もう少し掘り下げたいと思います。
5.葬祭ディレクターの肩書きを信用しない
葬祭ディレクターとは厚生労働省が認定する資格の一つで、その人物が葬祭に関する知識と技術をどれだけ修めているかを表しています。
具体的には1級で社葬を、2級で個人葬を行えるとされています。
しかし、この資格がないからと言って、葬儀が行えないという訳ではありません。
もちろん資格を持ってる人は優秀なのでしょう。しかしこの資格では表しているのは知識と技術です。
その人物があなたの求める葬儀を行ってくれるとは限りません。
もしかしたら型通りの式を、粛々と進めるのが得意なだけかもしれないのです。
6.総葬儀額の見積もりをくれる
葬儀の平均は200万円。額が大きいだけにトラブルも絶えません。
拍車をかけているのが、葬儀社に共通する分かりにくい料金形態にあります。
例えば、「葬儀一式30万円で引き受けます」と言われ、最終的には100万円を請求されたというケースもあります。
これは葬儀社の言う「葬儀一式とは、葬儀社が直接用意する物に必要な金額のみ」であり、他に「飲食費といった業者に委託する実費費用」、「お寺に支払うお布施」が別にかかります。
つまり「葬儀費用=葬儀一式+実費費用+お布施」という事になります。
その為、見積もりはすべてを含めた総葬儀費用で出してもらいましょう。
もし「実費はその場にならないと分からない」という理由で出し渋るのであれば気を付けましょう。
相手は葬儀のプロです。本当に見当すらつかないというのであれば実務能力から疑ってかかりましょう。
参考例として、関東の平均を調べました。
しかし、金額は地域によって大きく変動するため、あらかじめご自身で調べておくことをおすすめします。
- 葬儀一式:122.4万円
- 実費費用:21.0万円
- お布施:34.1万円
7.話をよく聞いてくれる
葬儀に慣れている人は多くありません。
上記の料金形態すら初耳だったという事もあるでしょう。
それらの質問に丁寧に答えてくれるかどうかが重要になってきます。
先ほどの100万円を請求されたケースにしても、一言「見積もりに乗らない金額があります」といえば、トラブルは最小限に抑えられたでしょう。
その上で、飲食費にいくら、お花代としていくらという説明があれば、100万円も決して高いものではないと納得できたはずです。
問題は料金だけにとどまりません。
故人が好きだったものを飾ってやりたい。生前、花粉症だったから生花は使いたくない等の要望を聞いてくれる相手でしょうか。
それにより、満足度は大きく変わるでしょう。
中には、希望を聞く事もなく、マニュアルに従って全てを勝手に仕切ってしまう事もあります。
8.打ち合わせから集金までを一貫して同じ担当者が行ってくれる
せっかくいい担当者が話を聞いてくれたとしても、葬儀に立ち会うのが他の人では意味がありません。
これは葬儀社としての仕事方法になりますので、先に確認しておくべきでしょう。
9.個人情報の管理をしっかりと行っている
今の時代には当たり前の事ですが、中には危機管理にすら無頓着な人もいます。
こういった場合は、個人情報の漏えいのみにとどまらない可能性があります。
最も危険なのは香典でしょう。
葬儀の規模が大きくなればなるほど、人の把握は困難になり、香典の額も大きくなります。
あらかじめ受付の人員と交代時間を確認し、それ以外の人物は近づけさせない。香典は手持ちの金庫にしまい、人目に触れさせないなどの対策をとるなど、その準備にやり過ぎるということはありません。
10.支払日に余裕がある
荼毘にふし、納骨を済ませれば全て終了という訳ではありません。
葬儀に来られなかった人の訪問、協力してくれたご近所へのあいさつ回り、香典返し。仕事はまだ終わっていません。
しかし、ひと段落したのも事実です。遺族がほっと一息つき、故人を本当に偲ぶことができるのは、葬儀が終わった後ということもあるでしょう。
そんな中、あわただしく料金を回収に来るような行為は、遺族の事を何も考えてないと思われても仕方がないでしょう
全ては納得して故人を送るため
葬儀は亡くなられた方の成仏を願うとともに、残された遺族に気持ちの整理をつけるために行われます。
「良い葬式だった」と「これなら故人もうかばれる」と、参列者を含めたかかわった全ての人が思えるような葬儀を行うためにも、葬儀社の選び方はぜひ慎重に行ってください。